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「ハ行」は健康のバロメーターだと言う。ハヒフヘホがきれいに発音できないとき、それは身体がつかれているのだ。喉の奥から出てこない、弱々しいハ行の音はため息に似ている。力のなさが滲み出る。▼言葉を発するとき、冒頭の「ハ」が強く出ると、文章全体が活き活きとしてくる。「はりきって行きましょう!」と意気込むとき、はじめの「ハ」が弱くては何の檄にもならない。呼気を伴う「音としてのH」をしっかり意識しないと、舌先で音色をつけただけの、掠れたハ行が出る。この行は難しい。▼一般に、発音の難しい行としては「サ行」「ハ行」「ラ行」が挙げられる。腹から喉へ、そこから前へ「音を飛ばす」意識がないと、空気ばかり洩れがちで芯のない声になる。子音が落ちて曖昧な母音だけが溢れる、響きもしない、くぐもった嫌な声になる。全ての音に気を使う余裕はなくても、「サハラ」を含む言葉のときは、速度を落として慎重に話してみてもよさそうだ。
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