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お決まりのランニングコースは、駅の方へ坂をくだること10分、信号で折り返して今度はのぼる。この折り返した後がきつく、一往復で足も呼吸も限界だった。初日は坂の中盤で諦めかけたのを覚えている。それからしばらく同じコースを走っていたが、ある日、ふとした気まぐれで道を変えてみた。坂をくだりきる前に脇道へ逸れて、10分ほど平坦な迂路を走ったのだ。いつもより10分遅れて坂をのぼりはじめたことになる。▼ところがそれが、今まででいちばん楽なのぼりであった。足は進む。呼吸も苦しくない。調べてみると、走り始めてしばらくは体が上手く酸素を摂り入れられず、運動に必要な酸素量を確保できないために苦しく感じるが、やがて体が運動に適応すると酸素の受給が一致して楽になる――これを「セカンドウインド」というそうだ。現象もありがたいが、名前の爽快な印象がなんとも素敵である。英語では、そのまま「元気回復」の意味に使えるらしい。
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