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電子書籍を手に入れた後輩が、このごろ読書に目覚めたらしく、ぜひ名の知れた古典を読みたいという。本屋へ行き、選りすぐりのオススメを広く浅く紹介した。▼過去に読んだ小説で、ほんとうに面白いと思い、かつ人に勧められるものというのはそう多くない。退屈なものは論外、難解なものもダメ、よほどの魅力がない限りは人を選びそうな作品も除外していくと、残るのは味のある無難な佳編である。背表紙を見ながら指運・気分で選んだら、こんな具合になった。▼国内からは谷崎潤一郎『春琴抄』、中勘助『銀の匙』、夏目漱石『草枕』、志賀直哉『暗夜行路』。外国からはドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』、モーム『月と六ペンス』、『O・ヘンリ短篇集』を厳選。小説以外では谷崎潤一郎『陰翳礼賛』、『寺田寅彦随筆集』、H・D・ソロー『森の生活』を推した。もちろん小林秀雄の紹介も忘れていないが、永井荷風や泉鏡花と同じく人には勧めにくいものだ。
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