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四百字詰めの原稿用紙は、何度書いても文字数について不思議な感触を与える。書く前には多すぎるように感じ、書き始めるとあまりに足りなく感じる。原稿用紙の縦一行はいつも、想像以上に文字数が少ないのだ。この記事の、横一行のちょうど半分である。半分しか入らない。▼原稿用紙に手紙の草案を書く。時候の挨拶、自分の近況、話の前振り、本題、横道、閑話休題、締めの挨拶。四百字に収まるかと思いきや、筆を置いてみるとゆうに六百を超えてしまった。四百の文字数感だけは鍛えられていると思っていただけに、悔しい気分になる。手書きと打ち込みの違いを痛感する。▼出来上がった原稿の出来も心なしかあまり芳しくない。まわりくどい表現が目立つ。余計な言葉が多すぎる。本心とは裏腹に、文字数を稼ごうとしているかのような言い回し。改めて要約するつもりで書き直すと、こんどは一枚にも足りない。半分以下だ。完全に手書きの腕がなまっているらしい。
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