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プログラムの世界では、「そうなるはずがない」と「そうなりようがない」の間に天と地ほどの差がある。後者の堅牢さは信頼に値するが、前者は身震いがするほど脆い。ほとんどのバグは「そうなるはずがない」から生まれてくるのだ。事後、なぜそうなったのかを説明するのは楽な仕事である。▼社内のコードを見渡していると、無駄なメンバ変数が多いことに気がつく。別のクラスにセットしたきり、二度と変更しない値を自分でもメンバに格納していたりする。どこかで値がズレたら動作の保証はできない設計だ。「その変数には初期化後一度も値を代入していないから、値がズレるはずはないよ!」だが、何も知らない誰かが、適当な場所で不正な値を代入することは簡単である。簡単だし、十分ありうる事態ではないか。▼単純な話。そんな変数はいらない。変数がなければ、誰ひとり値を「変えようがない」。これで初めて堅牢と言える。他人の善良に期待してはならない。
pass:
Draft