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檻の真ん中に高い梯子がひとつ、上にバナナが置いてある。檻には五匹の猿がいて、バナナのために梯子を登っていく。しかし檻の仕掛けにより、誰かが梯子の上の方に到達すると、残りの四匹に冷たい水が噴射されるようになっている。冷水を嫌がる猿は、梯子に登ろうとする猿を叩き落とし始めた。やがて、誰も梯子を登ろうとはしなくなった。▼ここで実験者は、猿のうちの一匹を新しい猿と入れ替えた。新参猿がバナナを取りに梯子を登ろうとすると、他の四匹は今まで通り彼を叩き落とした。やがて彼も梯子を登らなくなった。二匹目の交換でも、同じことが起きた。三匹目、四匹目、そして五匹目が檻に入れられたとき、冷水の仕掛けを知る猿は、もう檻の中にはいなかった。けれども、五匹目が梯子を登ろうとしたとき、彼はやはり叩き落された。五匹はただ互いに牽制しながら、梯子の上のバナナを見上げていた。誰ひとり、そうしていなければならない理由も知らずに。
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