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轟音、落雷。停車していたプラットホームの灯りが落ちた。三十秒もしないうちに、豪雨で窓ガラスの外が見えなくなる。情報が入るまで、しばらく運転を見合わせます……繰り返すアナウンス。不安げな乗客の顔。数人が暗いホームに下りた。改札への階段を登っていく人は、タクシーでも拾うのだろう。空が光る。間髪入れず、音。車さえ不安になるほど、雨も雷も激しい。▼9両目の弱冷房車を離れて、7両目に移動した。意味があるかわからないが、パンタグラフを避けたのだ。あんまり急なことなので、落ち着かなかったのかもしれない。冷静に考えると、よくそんなことを思いついたものだと思う。危機感に呼び起こされた注意力は強いものだ。果たして、運転も再開し、電車への落雷もなく、無事に最寄り駅へ着いた。着いた頃にはもう止んでいたが、青天ならぬ紫天の霹靂で、雨もないのに何度も頭上が輝いた。その光を目指しているような、影の行進。綺麗だと思った。
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