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「実例」という視点から見ると、ビジネス書籍は四種類に分類できる。▼一、実例がないもの。理屈だけで読者を説得しようとする哲学書タイプ。データに頼らない分だけ考察は深いが、屁理屈と思い込みの域を出ないような駄作も多い。二、実例が自分。あらゆる主張を経験で裏打ちしている。見聞きした材料の質と量がモノを言うため、現または元コンサルタントが著者の場合に良作が多い。三、実例がひとつ。ある企業や製品の黎明期から成功までを追うことで、そのあらましを理論展開の骨子とするドキュメンタリー形式。ドラマが仕立てやすいので、優秀な読み物になりやすい。反面、一冊から得られる知識は少なめとなる。四、実例が豊富。調査とインタビューで主張を補強していくタイプ。ひたすらに具体例を重ねるので説得力は極めて高いが、都合のいいサンプルを掻き集めただけのケーススタディにもなりがち。気軽にビジネスの舞台裏を覗いてみるにはちょうどいい。
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