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1962年。「エコノミスト」は極めて大胆な予測を打ち出した。曰く、日本は戦後の復活を通じてアジアの経済大国になるであろう――。世界は驚愕した。まさか、そんな。だが、予測は見事に的中した。エコノミストが描いた日本のサクセスストーリーは、ほとんど現実となった。▼そうして今、ふたたび上梓された予測の書『2050年の世界』を読んだ。常識・教養の社会系書籍では、久しぶりにまともなものを見つけた気がする。全二十章。塾講師時代なら迷わず生徒たちに読ませていただろう。向上心のある子なら高校生に、よほど社会と無縁でない限りは大学生に、ぜひ目を通させたい。▼新興国経済から女性の機会、言語、文化、宗教、温暖化、戦争、高齢化、ソーシャルネットワーク、貧富の格差、景気循環、科学、情報技術……と予測の対象は幅広い。目を見張るほど斬新な説はないが、どれも堅実で説得力に富んだ知見ばかりである。訳も非常に読みやすくて良い。
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