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サンプリングCDのデモを逍遥していた。ふだん聞かないような音楽ジャンルのライブラリを渡り歩いていると、自分の知らないサウンドがたくさん見つかって面白い。ときどき大衆小説を読むと、純文学だけが文学じゃないなと思えるように、シンセ系の名品を聞くと、アナログな楽器だけが音じゃないなと実感できる。デジタルにはデジタルの優れた表現がある。▼何十、何百と耳に通していると、そのうち得手不得手も見えてくる。私はどちらかというと素直な音を好むらしい。メロディがばりばり叫んだり、うねうね揺れたりしていると、なんだか作者のセンスが浮き彫りにされているようで不安になる。曲自体のクオリティがモノを言う正統派ダンスミュージックの方が安心するようだ。▼自分ならどんなふうに使うだろうと想像しながら、何年もデモばかり聞いて暮らしている。贔屓の音源は記憶済みだから、いつか手を出すことになったとき、選ぶのに苦労はしないだろう。
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