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昼休みに立ち読みした音楽雑誌の特集記事で、私の知らない有名なアーティストがこんな言葉を寄稿していた。曰く「(音楽制作にハードウェア機材ではなく)プラグインを利用するようになって、良くない仕事しか出来なくなった知り合いが多い」という。その理由を、彼は「リコールが簡単にできるから」と説明している。▼どんな設定にしたらどんな音になったかを記憶して比較できることは、多くのデスクトップ作曲家がデジタルワークの「魅力」と感じている点である。そこへ真逆から斬り込んだ短評が興味を惹いた。彼はリコールの出来ないハードウェアに固執している。その音は、まさにそのとき限りの音であるという意識が常にないと、集中力が散漫になるからだそうだ。一期一会の精神と言えば月並みで安いが、この手の集中力が生み出す奇跡の「設定」は馬鹿に出来ない。かくいう私も、プラグインに標準装備の保存機能を使ったことはない。いつも再設定している。
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