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二人の先輩が今日、電子書籍をめぐって意見を戦わせていた。ただし、紙媒体を賛美するアナログ派と利便性を崇めるデジタル派のよくある喧嘩ではない。ふたりとも、紙も電子も好きなのだ。主張の相違はスタンスにある。「まず電子書籍で読んで、気に入ったら紙で買うか。それとも先に紙で読んで、気に入ったものを電子書籍で買うか。」▼前者の言い分はこうだ。嵩張らない電子でたくさん読んで、真に手元に置きたいと思うものだけを触れられる存在として本棚に飾ればいい。対して後者の言い分はこうである。消費するときは手に馴染む紙媒体で心地よく読んで、心に残ったお気に入りだけを、電子で永久保存すればいい。▼どちらの主張も理解できるが、この食い違いは心的なものというより、お互いの家の本棚スペースの余りに根ざしている気がする。二人とも、金と場所が許せばどちらも買いたいのだ。紙至上主義の私は、何も口を挟まず最後までやりとりを見ていた。
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