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今日も会社に泊まる。なにもかも泊まらないと片付かない。せめて風呂と着替えに始発で帰れればと思うものの、往復の三時間が惜しくてつい残りがちになる。こういう修羅場のときほど、家の近い人が羨ましい。午前四時。みんな仮眠を取りにどこかへ行ってしまった。私もどこかで二時間くらいは寝たい。健康の負債は貯まる一方だ。▼こんなふうにつらいとき、いつも思い出す言葉がある。修論提出が近づいてきた頃の教授の言葉だ。「君たちね、僕もいろんな人を見てきたけれど、ここで踏ん張れないような人は、一生たいしたことは出来ないよ。これはね、ほんとにそうだ。」▼あのとき教授は、修論が君たちの人生を決めると断言した。つらいときに投げ出す人間は、などというような一般化はしなかった。そのとき、その言葉を信じて頑張り抜いたからこそ、今も思うのだ。人生の鍵を握っているのは、架空の「つらいとき」などではない。いつも「目の前のこれ」である。
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