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クリエイターたるもの、しつこいほど記号に敏感でなければならない。これは私のささやかな持論でもあり、ここ数年で強化された実感でもある。なにかを選択したとき、「それはどんな記号になるのか」をかならず考えること。今加えたこの変更は、どんなシグナルとして受け止められるのだろう。どんなシンボルとして解釈されるのだろう。何を期待させてしまうだろう。▼ユーザーをあやつる「意図」とかんちがいしてはならない。ちゃんと意図したものはたいてい、それが良かろうと悪かろうと、意図した通りに働いてくれるものだ。良くない予想外を生み出すのは、意図して織り込んだ伏線ではなく、偶然の記号である。意味もなくたまたま膨れただけの音が、意気地のないクレシェンドと解釈されてしまうことに問題があるのだ。だから、常に手許の仕事を振り返るのである。ぼんやりと加えたこの言葉は、この線は、この音は、展開は、いったい何の記号になるだろうかと。
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