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こんこんと降り、激しく注ぎ、雨になって、氷水になって、また細かい雪となる。このたびの降雪は、一日のあいだにずいぶん姿を変えた。そのせいだろう、遊歩道が面白いことになっている。▼歩きながら、雪を踏む音の種類を数えていた。場所によって積もり方も雪の質も違うので、ルートを変えると違う音が鳴る。ざくっと雪に踏み入る音、がりっと氷を壊す音、べしゃっと水を潰す音。ぎゅうっと圧縮する音、ぷちぷちとノイズのような音、べこべこ。しゃりしゃり。ぱきぱき。……。▼楽器よりも多彩な音色の変化を数えていると、電子音楽の歩みというものは、生活音のバリエーションを音楽に取り入れようとする試みだったのではないかと思えてくる。人工的で自然な音。自然で人工的な音。混ぜたり変えたり、ひねくりまわして音の基礎をつくるのは、今日の空が手を変え品を変え降らせた雪のありさまと同じではないのか。そんなことを考えて、二十以上の音を聞いた。
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