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休日出勤の夕方に抜け出して友人の結婚式二次会へ行く。携帯電話を家に忘れたので、荷物もなにもないコートひとつの素軽さである。中高時代は毎日のように遊んでいた近所の仲だが、たまたま会場の入口ですれ違ったとき、会ったのは数年ぶりであった。何も変わらなくて安心した。向こうも、どうやら同じ感想だったようだ。▼三百人は居ようかという大所帯、ポップスとクラブミュージックが大音量で鳴り響く豪奢な地下の会場。耳元に口を寄せなければ会話できないような賑やかさの一角で、小さな同窓会が開かれた。名前も顔も、みんなお互いよく覚えている。▼新郎ともなんとか言葉は交わせたし、卒業以来の懐かしい顔にも会えたし、楽しいことばかりだったが、とりわけ嬉しかったのは、誰に会っても会話の折々、意外にも職業を肯定されたことだった。ふだん身近にはあまりよく言われないだけに、人の目など関係ないと強がりつつも、やっぱり嬉しかったのである。
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