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建築物としての一軒家、他人の旅行の計画話、楽器演奏に関するあれこれ――私には嫌いなものがたくさんある。ものによってはどうして嫌いなのかもわからない。昔、自分は郵便ポストが苦手だと言う人がいた。なぜだか怖くていやなのだという。その気持ちがよくわかる。いろんなものが意味もなく好きで、いろんなものが意味もなくつらい。▼性格や物の考え方、あるいは食べ物なら合う合わないもあるだろうが、「家」が嫌いな理由など自分の中にはまるで思い当たらない。完全に謎である。深層心理に原因があるのかもしれないし、何か別の憎いものを仮託しているのかもしれない。▼旅行の計画話は、同意してくれる人もそこそこいるのではないだろうか。土産話なら喜んで聞くが、自分が行きもしない場所の空想・期待を語られるのは苦痛である。楽器演奏はいちばん単純で、趣味がら興味はあるが経験がないので、話に混ぜてもらえないからである。僻みのようなものだ。
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