400
Post/Edit Page
「興味がなければ買わなくて結構。」――宣伝からして敢えて短所を打ち出し、顧客を撥ね付ける挑戦的な商品が、ブームを巻き起こすことがしばしばある。媚びない姿勢が職人気質の「本物さ」でも感じさせるのか、あるいは撥ね付けられると興味が出てくる人間共通の天邪鬼を利用しているのか、いずれにしてもやや斜めを行くブランディング手法のひとつである。「ホスタイル・ブランディング」という。▼最近の日本なら、ラーメン二郎はその典型だろう。健康に悪い、カロリーが高い。だからどうした、文句があるなら食べなくてよろしいと言わんばかりの強気である。そうして、ファンはそれらのデメリットを重々承知で食べに来る。▼タバコの論理に似ているところがある。ともなう危険が行為の価値を光らせるのだ。万人衆知のデメリットを受け入れてまで通い詰めることで、自分自身にも他人にも、自分がその商品の強烈なファンであることを納得させているのである。
pass:
Draft