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プロジェクト末期になると、プログラムの中には悪魔のコードが生まれてくる。論理的に正しくないコード。必要な処理が完遂できていないコード。冗長で何重にも同じことを繰り返しているコード。当初は絶対にそんなものは書くまいと誓っていても、枯れなめこの如くいつの間にか生まれてくる。▼六時間後に凍結される新仕様をシステムに埋め込まなければならないとき、理想的なコードなど書いている余裕はない。しかし、それでも我が子を悪魔にしたくないとなれば、せめてステートについては厳密に設計すべきであると強く感じた。▼ニクラス・ニルソンが指摘しているように、オブジェクトの内部状態についての記述が不正確または冗長であると、その瑕は時間とともに増幅していく。未来の自分は既存の状態を頼りに新たなコードを記述するからだ。不完全な判定はより不完全な判定を生む。そうして宴もたけなわの頃、看過できない不完全さとして顕在化するのである。
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