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少し前のサウンド&レコーディング・マガジンで、音楽制作者のプライベート・ルーム公開大特集が組まれていた。国内外のビッグアーティストがいったいどんな環境で作品を創り出しているのか、同好の士諸君はミーハーとも野次馬心ともつかない逸る気持ちで読んだことだろう。私はどちらかというと後者である。▼思いのほか簡素な環境から、想像通りの機材マニアまで、やはり部屋の様子はさまざまだが、私が注目したのは彼らを取り囲んでいる物体の「向き」であった。どうやら皆、自分を中心にして放射状に物が広がっていく配置である。▼アマチュアの環境は机が主役なため、前面へ板状に敷かれていることが多い。しかし、効率と便利が求められる世界では、手の届く範囲にひとつでも多く機材やスイッチが必要なのだろう。環境はインテリアであることを捨てて円を描くのだ。そう考えれば部屋が「ごちゃごちゃしている」というのは、その究極の形なのかもしれない。
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