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アーメン。賛美歌の最後に唱えられる定型句は、アー(F)→メン(C)という進行で出来ている。ダンス系の音楽には欠かせないサブドミナントの音は、ここに由来するのではないか。堀越昭宏氏はこれを「IVへの偏愛」と呼んでいる。ゴスペルで終止の前に繰り返される執拗なIV。「そしてこのIV-I進行はブラック・ミュージックの基本の一つとなり、ソウル、ファンク、ディスコを通じてハウスやヒップホップなどの打ち込みクラブ・ミュージックに伝わったはずなのだ。」▼私はこの説、かなり確からしいと思っている。これはオシャレだと思うクラブ系の進行には、IV-I/I-IVの基本型を小節に細分し個々のコードを四和音や7sus4(9)などで洗練したタイプのものが多い。II-V-Iよりは圧倒的にIV-Iのイメージなのだ。ドミナント進行より終止感が薄い分、いつまでも踊りつづけられる継続感も相性が良いのだろう。何より、偏愛の精神性を持つ芸術は例外なく美しいものである。
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