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青島広志『究極の楽典』を読んで、楽譜のいろはを学ぶ。内容も素晴らしいが、これほど自信に満ちた「まえがき」もなかなか見ない。「この書物は、現在考えられる同種の出版物の中で、最も知識量が多く、正確な情報を記載することに務めました」――「既刊の楽典関連の書籍もすべて研究した上での仕事でしたから、「究極の」と冠することを自他共に認めたと申しましょう。」▼同種の刊行物を知らないので比較はできないが、内容の充実度と読みやすさを考えると、この自負もあながち自惚れとは言えまい。第6課「和音について」だけはさすがに平易とは行かないが、これは素材上仕方のないことだろう。門外漢への配慮もあるので、少なくとも進めていて苦にはならない。▼良書である。あとがきで蘇る自信も嫌味にならない。「筆者はこれまでに、多くの売れなかったであろう楽譜を出していただいた恩返しに、最高の名著であるこの『究極の楽典』を世に問うのです。」
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