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人間の眼は、中心よりも周辺視野でより強く危険を感知することが研究で明らかになっている。恐怖を喚起する映像や物体は、真正面に見据えるよりも視界の端に紛れ込んだ場合の方が、我々の身体を素早く緊張させるようだ。遠方に獰猛な動物を察知するための野生の名残かもしれない。ただし注意力が中心に集中している場合は別である。描画位置は周辺でもいいが、意識は視界内に分散している必要があるということだ。▼スマートフォンが流行り出してからというもの、人混みが歩きづらくなったのは、案外そのせいかもしれない。いわゆる「ガラケー」は機能とボタンの物理的な配置が固定化していたので、画面にあまり注意しなくても必要な作業を果たすことが出来たが、タッチ操作のスマホでは動作のトリガーがアプリケーション依存なので、どうしても画面そのものに視線を向けざるを得ない。これが周辺視野の鈍化を招き、人との衝突を生んでいる――という説である。
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