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どんなに長い綴りでも、いちど辞書を引いたきり忘れない単語もあるし、綴りは短くて単純なのに、繰り返し引いても覚えれられない単語もある。「琴線に触れる」の逆版とも言うべき、脳のいかなる糸にもかからない言葉というものがあるのだろう。私にもいくつかある。代表的なのは、まさに昨日、忘れてふたたび辞書を引いた「茄子」である。▼いつも「何か茄子らしくない……」と思い出そうとして思い出せないが、Eggplantと聞くとすぐにピンと来る。過去にピンと来た幾回の記憶と同時に、Eggplantというスペルの割り切れない不思議な感触がよみがえる。▼また忘れるだろうなという予感がしたので、いっそ記事にした。こういう厄介な奴は語源も覚えておくと良い。日本人には茄子というと紫がなじみ深いが、Eggplantはもともと白茄子を指した言葉で、形と色が鵞の卵に似ていたことから「卵植物」と名付けられたのだそうだ。さあ、これでもう忘れることはあるまい。
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