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海外の第一線FPSを見るたびに、ふたつ思うことがある。ひとつは画像の美しさ。かき分けていく草木の枝葉、岩肌に滴る雨水のディティール、現実かと見まごうほどの照り返しと映り込み、どれも数年前とは比べ物にならないほどよく出来ている。選りすぐりの静止画などほとんど写真のようだ。映画を目指すゲーム。フォトリアルの追求はとどまるところを知らない。▼二つ目は、生物の動きのチープさである。人間らしくない人間に、動物らしくない動物。どれだけ映像が現実を模していても、悲しいかな、ゲームの中に知的な生命を見ることはまだない。否、映像が迫真である分だけ、かえって不自然さを覚えるのだ。主人公に銃口を向けられても眉ひとつ動かさない敵兵士は、いよいよ生理的に気持ちの悪い描画物となりつつある。▼眼は満足した。だが脳が満足しない。これからのゲーム制作が追い求めるのは、そんな類の欲求の充足であろう。精巧な人形に命を宿すのだ。
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