400
Post/Edit Page
自衛官や救助隊員など、支援活動のために災害や事故の現場に赴く人が、被害地の凄惨な光景を目の当たりにして受ける精神的なショックを「惨事ストレス」と言う。「不眠、強い無力感や自責の念に駆られたりするほか、過度な興奮やフラッシュバック現象、感情の麻痺などのPTSD症状となって現れる場合もある。」▼ジャーナリストの世界でも、惨事ストレスは慢性的な職業問題である。東日本大震災のとき、取材・報道のため地震後即座に現地へ駆けつけた記者の多くが、津波に飲まれていく人々を眼前にしながら助けることも出来ず立ち尽くすしかない状況に圧倒された。その記憶のために一線を退いた例も少なくないという。▼実際には安全であるはずの「救助する者」や「見る者」が、被害者と同じか、ときにそれ以上の心理的な衝撃を受けてしまう。人間の共感の凄まじさを思い知るが、現実には悲惨な現場を訪れ、助け、伝える人が必ず必要な点、深刻な課題である。
pass:
Draft