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読者の生き方が多様化し、人生について共有する前提が乏しくなったとき、短編小説は衰退した。同じ思想・態度・目的を抱く人でない限り、短編のような短い「切り抜き」では著者の主張が見えてこないからだ。▼それから幾十年。人生は「個」を単位とするほど多様化し尽くした。そうして、もはや人々は長編小説でさえよくわからなくなった。なんであれ「ひとつの作品」では人生についての洞察を得るのに不十分だ。次々と複数の作品を消費して、ようやく見えてくるものがある。消費のポートフォリオが、自分に何かを教えてくれる……。▼こうして消費が高速化すると、重厚長大な作品の価値が相対的に失われてくる。たくさん消費しなければならない現代人にとって、出来の良い大作は「凄いが通過しにくい何か」に過ぎない。では、今求められるハイクオリティな作品とはなんだろうか。少なくとも、よく売れるゲームの「クリアに必要な時間」は年々減少しているのだ。
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