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テレビをつけてソファに寝そべり、ごろごろと芋のように転がるだけの若者たち。その姿をカウチポテト族と揶揄された怠惰で贅沢な人びとは、マスメディアにとって理想の消費者像であった。そうして、テレビ全盛期の時代、たしかに理想は現実と「たまたま」一致していたのである。▼ワイアード誌の創立者のひとり、ケビン・ケリーは、かつてABCの役員にこう窘められたという。「消費者は受身に決ってるだろう。インターネットがあるからといって、消費者が積極的に何かをするようになるわけがないじゃないか!」この「常識」に則り、世界中の家庭に転がる芋をどうやって掻き集めてやろうかと策を巡らせつづけたメディアの凋落は語るまでもない。▼作者と読者の境界線は、いまや脆くあいまいである。大人はそれを社会学から学び、子どもは肌で感じている。だからだろうか。新しい常識を前にしても、作者という概念にこだわっているのはどうやら大人の方である。
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