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「敵」によって自らを規定するような生き方は良くない、と『7つの習慣』は指摘している。自分と敵対関係にある誰かがああするから、自分はこうしなければならないのだという考え方は、主体的に反抗しているようで実はあやつられているに過ぎない。怒りと恨みを餌に踊らされる、誰のために生きているのかわからないような憑依された人生。復讐を誓った男の未来は暗い。▼しかし、明確な敵がいる状態というのは、それはそれで恵まれているとも言える。怨嗟や憤怒は確かに好ましからぬ感情だが、復讐――と呼ぶと刺激が強すぎるなら「反抗」でも良い――が強い努力の動機になることは否定できない。闘争心という名の、近視眼的で爆発的なドラッグに近い推進力。自分との闘いだけでは燃えられぬ人のためには、着火してくれる「敵」が要る。きっかけを待ち詫びてぼんやりとした毎日を過ごすくらいなら、いっそ勝ち目のない闘いに身を委ねてみるのも良いと私は思う。
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