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価値観が同じであれば相性がいい。ほんとうにそうだろうか。▼「笑いのツボが同じであること」を重視する人Aがいるとする。相手が笑うときは自分も可笑しく、自分が楽しいときは相手も笑う、そういう関係を理想とする考え方だ。時を同じくして笑えなければ良好な関係は築けない。立派な価値観である。▼しかし、Aとその価値観を同じくする人Bがいたとき、果たして彼らは相性が良いのだろうか。無論、否。「最悪」であるケースさえ考えられる。もし笑いのツボが完全にずれていたら、早晩、互いが互いに我慢できなくなるだろう。▼譲れないことが同じであるが故に衝突することはままある。たいていの場合、重要なのは価値観ではない。何を是と考えるかという空想上の理念でもない。AやBのような人たちとって真に大切なのは、「笑いの同期」という身体反応の出力結果だけである。人の相性は、一緒にいてみなければわからないことが多いという説の一例だろう。
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