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ダンベル。dumbbellと綴る。dumb(物言わぬ)bell(鐘)の意で、形は教会の鐘に似ているが音が鳴らないことから、あるいは昔は本当に鐘を模した器具で筋力トレーニングをしていたことから、その名が付いたと言われる。鐘を引くことで筋肉が鍛えられることはダンベルの登場以前にも広く知られていた。そうして、これを直訳したのが唖鈴、転じて差別漢字を排した亜鈴というわけだ。鉄アレイの「アレイ」である。断じて、何かの配列ではない。▼やがて両端の重り同士を棒でつないだバー付きのダンベル「バーベル」も生まれる。重りは円盤状で、もはや鐘の面影はどこにもないのに、言葉の中だけでベルが独り歩きする様はなんだか面白い。文字と音の両形態を持つ言葉は、使う人の都合次第でかなり自在に変わりゆく。胴の長い犬に似たダックスフント・ソーセージも、スペルを調べるのが面倒な漫画家の横着により、「ホット・ドッグ」とごまかして紹介されたのだった。
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