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鉄は安価で丈夫で加工しやすい優秀な材料だが、錆びやすいという弱点を持つ。この弱点を補うべく、鉄に「錆びにくい」というプラス属性を付与する処置がメッキである。ひとくちにメッキといっても用いる金属や手法は様々だが、対象となる材料が鉄で、かつ装飾にこだわらない場合は通常、電気亜鉛メッキが選ばれるようだ。▼ところでメッキとカタカナで書いてきたが、本来は「めっき」と表記するのが良いという。なぜならめっきは鍍金という漢字を持つ純粋な日本語であり、外来語ではないからだ。仏像にめっきを施すとき、金を水銀に溶かしてアマルガムをつくるが、これがあたかも金が水銀に溶けて消滅していくように見えたので「滅金」と呼んだのが元だという。鍍はこの一文字でめっきを意味する言葉であり、あとからあてられたものだろう。たまたま見つけた一節に「金もて物に鍍(ぬ)るなり」ともあり、このように訓読みで塗布の意に用いることもあるようだ。
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