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仮面ライダーは悲しみのヒーローである。敵である悪の組織に改造され、仮面を被り闘いつづけなければならない改造人間としての悲しみ。それは垂れ下がる眼の形や、涙線と呼ばれる眼の下に縦に引かれた涙の痕などで表現されている。「仮面ライダーは泣き顔でなければならない。」格好良さを重視する造形にシフトした平成ライダーでも、このコンセプトは失われることなく受け継がれた。▼しかし二作前の『仮面ライダーフォーゼ』でこの<悲哀の感情>は姿を消す。次のライダー『仮面ライダーウィザード』にも、涙線をはじめ悲しい表情は見あたらない。なぜか。その理由はフォーゼ放映の半年前、3.11の大地震に由来するという。未曾有の大災害でかつてない混乱に陥る日本。そんなとき「ヒーローが泣いている場合ではない。」――三度の飯より仮面ライダーが好きな同僚が、昼飯どきにこんな話をしてくれた。嘘か真か。しかし面白いエピソードなのでここに残す。
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