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小並感というネットスラングがある。「小学生並みの感想」の略で、すごい(小並感)のように、補足的に使われる言い回しだ。たいして有名でもない、出ては消える泡沫のようなスラングのひとつに過ぎないが、私はこの言葉が気に入っている。この言葉の用途が気に入っている。▼ありていに言えば、これは免罪符だ。たいしたことは言えませんが、月並みな感想ですが、そういう枕詞が後ろの括弧に収納されただけである。しかし、まさしくこの「後ろに」というところが肝なのだ。後ろだからこそ、まずは何か言うことができる。言ってから、言葉足らずかもしれないなと思ったら、事後的に自分でフォローを入れることを許している。この素軽さ。▼凄いことを凄いと言い、格好いいことを格好いいと言う。大人になるとどうしても、そういう素直な、小学生のような感想を言うことに怯えてしまうことがある。それでも言うべきなのだ。大丈夫。きっと小並感が助けてくれる。
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