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音楽原理主義も行き着くところまで行くと、純正律が失われた時点で音楽の美しさは失われたのだと喚くようになる。平均律の三度など汚くて聞くに堪えない、そんなもので音楽教育をしているなんて嘆かわしい、と言うのである。それなら自然の音色でも聴いて過ごせばよろしい、とでも呆れていたいところだが、主張の是非はともかく、そんな彼らに朗報な新技術がある。Cubase7の"Hermode"だ。▼これは設定された調にしたがい、ノート情報のピッチをリアルタイムに微調整することで「平均律の長所を犠牲にすることなくピュアな調音を実現する」機能である。3・5・7度だけが調整の対象だが、耳が感知できる範囲を考えれば十分だろう。転調と純正律の響きが両立できるというわけだ。残念ながら原理主義者には生演奏以外は全て雑音に過ぎないというスタンスの持ち主が多いようなので、所詮はデジタル世界の産物と臍を曲げるかもしれないが、私は大いに期待している。
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