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母親が赤ん坊に話しかけるときの言葉は、日常生活で発する言葉とは違う、独特の抑揚を帯びた音楽的な言葉になる。このような幼児向けの喋り方は、国や文化に関わらず世界中に存在していて、母のMotherに接尾辞-eseで「マザリーズ」と呼ばれている。▼マザリーズの特徴は、@ピッチが高く、A抑揚が大きく、B速度が遅く、C繰り返しが多い。いずれも乳幼児が好んで聞こうとする音の特徴である。こうした口調で何度も何度も赤ん坊に話しかけることが、情動の発達を促し、親子の関係を強化するという。マザリーズを聴かずに育った子どもは自閉症になりやすいと報告する研究もあるほど、幼児期に重要な役割を果たしているようだ。▼多くの母親は、こうした根拠を知らなくても、自分の子どもにマザリーズで話しかけている。だからそれはいい。しかし、男性――恐らくそうした本能に乏しい男こそ、育児に携わるつもりなら、これは特に心に留めておくべき知識だろう。
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