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高級で、高尚で、由緒ある、意味に即した言葉を選り抜き、比喩、誇張、緩徐、あまたのレトリックで装飾を施した美麗な文を綴る。物書きの誰もが憧れるような、格調高く、難解で知的で文章が生まれる。さて、これらをまとめて「凄い」とでも呼んだとき、凄いことと話の内容が面白いことのあいだには何の関係もない。凄いことの効果は、いかにもたいそうな内容が語られているという暗示、たいそうな人物が書いているという印象を与えることにある。▼無論、それが目的であれば全く非難には当たらない。そういう目的がよこしまだとも思わない。しかし、人に楽しんでもらうことを切望しながら、面白くもないストーリーをなんとかして「凄く」しようと手を尽くし、結果、受け入れてもらえないことを嘆くのは、なんとも滑稽な話ではないか。人の笑顔を見たい心が、人をしかめ面にしてでも、自らの凄さを誇示したい心に負けている。そういう人は、自分にも笑顔がない。
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