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「理想的なフィルインとはなんだろうか。」もちろん、このフレーズだよ、と具体的なものを提示できるはずもない。主人公の性格も、世界観の設定もなしで、最高の台詞は何かと問うようなものだ。しかしそれでも汎用的な答えを目指すと、こんな定義が浮かんでくる。「ちょっと『らしくない』ことをする。」――許される範囲で。▼クールを貫いてきた主人公が、状況に追い詰められてとうとう大声でヒロインへの愛を叫んだら、それは最高の台詞になるかもしれない。ルート弾きに徹していたベースが、サビの直前で急にオクターブの壁を超えて高いリフを叫んだら、それは最高のフィルインかもしれない。どちらにしても共通しているのは、その「らしくなさ」が「らしくない」と瞬時に感じられるほど、ふだんは「らしさ」に徹しているということだ。いつも決め台詞を言うことばかり考えているキザな主人公は、どんな名言を連れてきても、有事にクールな台詞は吐けない。
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