400
Post/Edit Page
六年前。大学院の面接試験で、ずらりと居並ぶ御歴々の教授方から「就職はどういうところを考えているのか」と訊かれたとき、私は「ゲーム会社です」と即答した。唯一、事前にそれを知る卒論の担当教授以外は、みんな顔を見合わせて驚いた。エンジニアでも金融会社でも、研究職でも商社でもないとは。沈黙がいやなので、勝手につづけた。「できればどこかで編集者も経験したいです。記者、編集者、デザイナー、このあたりに関わりつつ、最終的にゲームがつくれればと思っています。」▼あとで教授に訊いた話では、そもそも筆記試験の時点で合格点に達していたので面接は参考程度、件の発言も単に面白がられたり不思議がられたりしていたらしい。そうして結局、本人の顛末はといえば、横道に逸れることは叶わずまっすぐゲームクリエイターとなったわけだが、あのとき提示したもろもろは今も趣味の心に息づいていて、やりたい気持ちは消えてないなと実感している。
pass:
Draft