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間が悪い、という言葉がある。処世術に於ける高等テクニックである。▼間が悪いというのは誰が悪いのか。文字通り「間」であり場である。つまりそのへんの空気が悪いのである。これは「私」と「あなた」の中間部分に責任を投棄するという素晴らしい技術だ。なんでもかんでも間が悪いといって責任を引き受けない人も困り者だが、不定な空間に責任を投げ捨てられない人の方が、過剰に責任を背負い込んで周りを気疲れさせたり、自分に非がないと確信した途端に相手が悪いと決めつけてかかったり、とにかく付き合いづらいことが多い。▼「水に流す」の現在形と言ってもいいだろう。ただし、責任の所在を曖昧にするわけではないところに注意したい。曖昧にするというのは、互いに相手が悪いと思いつづける可能性も孕んでいる。それではだめだ。宣言しなくてはならない。これはどうも間が悪かったね、と。私もあなたも悪くはなかったという、確認と同意が必要なのだ。
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