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澁澤龍彦の訳で読んだ『さかしま』を思い出す懐かしきユイスマンスから、クラインの幾何学とローレンツの電子主義を経てジェームズ・フレイザーにたどり着いたとき、私は本文を読み始める前に「しまった!」と思った。どうしてこんなに大切なことを忘れていたのだろう。私はずっと前から『金枝篇』が読みたかったのだ。読みたくて、しかし当時そのあまりの値段の高さと難解さに挫折したのである。大学生の頃、いまにもまして財布は汲々としていた。▼ところがこのたび調べ直したところ、つい一昨年に講談社学術文庫からメアリー・ダグラスとサビーヌ・マコーマックによる簡略編集版『図説・金枝篇』の文庫本バージョンが出版されていることを知った。なんという僥倖。歓喜である。アマゾンに在庫はないが、コレクターアイテムの出品があったので迷わずカートに放り込んだ。エリアーデの『世界宗教史』も奨められたが、こちらは懐事情により渋々見送る形となる。
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