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敵役に名言の多い福本漫画だが、会長や利根川、班長の「説教」ばかりでなく、主人公が相対する強敵たちの台詞にも光るものが数多ある。『アカギ』に登場する代打ち・浦部がニセアカギ相手に放つ、このモノローグもそのひとつ。「ぬるいで兄さん。手が来とるときはガメらんかい! そんなええかっこしいの麻雀じゃ相手にプレッシャーは与えられんし、流れも呼び込めん。細いんよ、おどれの麻雀は。わいは太くいかしてもらおう!」私のお気に入りだ。▼チャンスが来たら恥も外聞も捨てて泥臭く行けという、よくある箴言のバリエーションではあるが、麻雀という文脈のわかりやすさと砕けた関西弁が相まってその真髄がストレートに伝わってくる。ここぞというときに格好を気にするようでは敗色濃厚、それが真剣勝負というものだ。だから、ときどき自問する。私はいま、浦部に「細いんよ、おどれの**は」と言われてしまうような、賢しい生き方になっていないかと。
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