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スティーブ・レイク『Music for 18 Musicians』を聴く。ミニマル・ミュージックの嚆矢と言われる巨匠の、演奏時間一時間に届こうかという大作。集中して聴いているとものの数分で飽きてしまうので、エッセンスを逃さないよう耳に注意は払いつつ、作業をしながら通して二周ほど聴いてみた。▼もともとミニマルという概念はアートの批評界で使われたもので、黒で塗りつぶしただけの絵画や、箱を並べただけの彫刻に見られるような、内容からの脱出=芸術のための芸術を追求する運動だった。以来、最小限のマテリアルが織り成す美しさというものが審美されていくことになるのだが、テクノ以外では始めてミニマルを聴いた素朴な耳からすると、音楽の方は絵画や建築のそれとは違い、些細だからこそ小さな変化を敏感に感じ取れるという意味での内容が健在で、だからミニマルを掲げつつも、その実は環境音楽に繋がる「音響の一形態」に過ぎないのかなと感じたのである。
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