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リコーダーの音をよく聴いている。ソプラノ、アルト、テナー。音域のオーバーラップが想像よりだいぶ大きい。昔、中学校でアルトリコーダーを吹いていた頃はソプラノより随分低い音を出す楽器というイメージがあったが、ソプラノがC管、アルトがF管なので、実際には五度しか変わらない。バスリコーダーでも使って四重奏でも、と思うものの表現可能な音域が予想以上に狭くて弦楽のようには出来ないらしい。全く別の想像力を要するということだ。▼リコーダーの音色は「甘い」と形容されることが多いようだが、味覚の比喩はともかくどこか長閑でのんびりとした印象は付きまとう。加えて少年少女時代を彷彿とさせるのは音楽教育の名残りだろうか。アニメ『のんのんびより』でれんちょんがリコーダーを吹きながら田園風景を歩いているとき、たとえ自分は都会育ちでもデジャヴュ的な懐かしさを感じた人は多いだろう。楽器にまつわる幼少期の記憶がなせる技である。
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