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付属CDの音源が(音楽的な意味でもサウンド的な意味でも)がっかりする教本ほど悲しくなるものはない。実力主義、結果主義の世の中である。せっかく哲学的で実践的で豊富な経験と思考に根ざしたクールなことを書いていても、それではトラック12を再生してくださいと言われて鳴らしたデモの出来映えがイマイチでは、何の主張も信じられなくなる。▼そんな明らかに全力で取り組んでいないサンプル音源が跋扈する教本の中、燦然と輝く最近の”当たり”は村井研次郎『常識を越えるベース・ラインの思考法100』である。トラックからは――最高にかっこいいベースが聞こえてくるじゃないか!これだけ巧くベースを弾く人の言うことだから信じてみようと思う気にもなるというもので、そう思い込んでしまえば後はしめたもの。教本のサンプルはこうでなくては困る。▼実績は口以上に物を言うのだ。読了後に調べて見たらこの著者、やはり凄腕のベーシストであった。
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