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競馬で大勝するたびに高価な洋酒を買い込んで家にストックしているという剛毅な友人がその秘蔵の一本を提げてはるばる家へ遊びに来た。外でよく顔を合わせていた身には意外だが、実に二年ぶりくらいの来訪。すっかりミュージックステーションへと様変わりした私のデスクに驚いたり、弟を懐かしがったりしていた。▼さて、持ってきたのはバランタインの30年。近頃は値下がり気味だが、そうそう気楽に手が出る酒でもない。ロックで頂いて、ストレートでも呑んだあと、ウイスキーの味わいを細かに感じるには最も良いと言われる1:1の冷水割りでも試してみた。▼私の中では最高峰の山崎18年と比べて遜色ない芳醇さ。芳醇、という単語の正体をはっきり掴んでいるわけではないので、多少ごまかしている節もあるが、要するに旨い。43度とは思えないほどするすると喉を抜けていく。ややもすれば軽々ボトルも開けかねない危険な酒――今はその酔いの渦中である。
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