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絵を模写するとき、図柄を見ずに地を見て描くと上手に描けるという。正しく写すことが目的であれば、地に注目して絵から意味を剥奪した方が、先入観や思い込みに基づく手先の狂いを逃れやすいからだ。▼一見縁遠いようだが、実はプログラムにも同じ原理があてはまる。その言語、そのライブラリ、そのシステムで「何が出来るか」ではなく、「何が出来ないか」に着目することで、熟練度が飛躍的に向上するのだ。境界線の外側を知ることは、境界線の線たる所以、その意味を改めて問いなおすことである。これこそ大人が忘れがちな学習の肝――常識の再確認という基礎固めに他ならない。▼地を見て図を知ること。いつの間にか当然視していた図への問いかけとして地を見ること。絵とプログラムとに限らず、汎用の骨としてアタマに留めて置きたい。それでは音楽の地とは何かという類推をすぐには思いつけなかったのが悔やまれる。閃いたら別のトピックで書いてみたい。
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