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キーボード・マガジン夏号。日本音楽界を牽引したカリスマ二名、小室哲哉と冨田勲のシンセサイザーをめぐる対談で、冨田氏が面白い喩えを披露してくれた。初音ミクを評して曰く、人形浄瑠璃のようなものだと。人形自身は演じていないが、あやつる人間の感性によって生きている人間よりすごいものを出す。その電子版だと。▼今、どうしてシンセサイザーが人を集められるのか。アナログインターフェースを持つソフトシンセが人気を博している意味は何か。これから音楽はどこへ向かうのか。本来、そんなに深い話はしていないはずで、シンセサイザーにまつわる個人的な雑談の域を出ないのだが、小室哲哉氏の軽妙な語りはザクザク核心をついていると思った。やはり天才か、と心のなかで呟く電車内。六頁の対談を二周。▼シンセサイザー特集というと、どうにもVCFだLFOと基礎的な解説に偏りがちだが、楽器としての意義について深く考察した文章も読んでみたい。
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