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某書、八割型読了。やはりサイモン・シンは凄かったんだなと。思い出補正を考慮して割り引いてもそう言える。面白いエピソードと難解な数学をただサンドイッチにしただけではドキュメンタリーにならないということだ。大学の教科書に偉人の逸話コラムが挟まれているようなちぐはぐさは、どうにもバランス感に乏しい。個々のトピックスは面白いのだが、他人に薦めるかと言えばノーである。▼もっとも題材が題材だけに、万人受けする面白い本を書けという方が無理な注文なのかもしれない。ただ、「高校時代に習った幾何学を少し覚えている程度の人々」を想定読者と主張するのは無理がある。明確に無理がある。「リーマン曲率テンソル」「立体トーラスを3−球面から切り出す」「多様体の基本群が単位元でありながら」などなど矢継ぎ早に言われても頭痛のしてこない人でなければ人物列伝としても推奨はできない。期待が大きすぎたのかもしれないが、残念ではある。
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