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今日、初めて「三手詰め」の修行が生きたと実感する勝ち方をした。中飛車の圧力を相手に二筋へ回した飛車からの突貫、と金づくりから交換した角打ちまで大きなミスもなく追い詰めて行くと、相手の王に硬い逃げ道が見えてきた。あの金壁の向こうに逃げられたらカウンターで今度はこちらが砲火を浴びる。残り時間は二分五秒。持ち駒は三枚。絶対に詰みがあるはずだと思って、三手詰めのつもりで必死に解いた。残り二十秒――それは大駒を捨ててのぴったり三手詰めだった。三手詰めというキーワードで自分を縛らなければ間違いなく見えなかった道である。▼土壇場で直感的な選択肢を増やしてくれる、身の丈にあった小さな反復。それが今の私にとっては三手詰めの詰将棋だった。大駒は捨てるもの、という詰将棋界のセオリーが染み付いていたおかげで、飛車を切る道も二分のうちに検討できたのである。ささやかな進歩ではあるが、ちょっと前に進んだ気がして嬉しい。
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